Ryo安室

木工DIYを趣味としています

COVID-19患者が出たら業務停止になるといまだに勘違いしている医師も

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/miura/202101/568601.html?n_cid=nbpnmo_mled_html-new-arrivals

新型コロナの都市伝説を検証する
従業員がコロナに感染したら営業停止 ○か×か?

40歳代男性、飲食店勤務のAさんが体調不良で来院した。診察後に「念のため(新型コロナの)検査をしますか?」と聞くと「いやいい。営業停止になったらたまんないよ!!」とのこと。

  違う違う そうじゃ
  そうじゃない
  君を逃せない
  愛は渡せない
  (鈴木雅之『違う、そうじゃない』より)

 これ、Aさんだけではない。皆さん勘違いしている。院内スタッフにCOVID-19患者が出たら業務停止になるといまだに勘違いしている医師もいるくらいだ。

 もちろん、院内スタッフに感染者が出ても業務停止はあり得ないし(標準予防策ができていればスタッフが感染しても濃厚接触にはならない)、飲食店のスタッフに感染者が出ても、やっぱり営業停止にはならない。保健所が営業停止を求めるのは、食中毒発生時のみだ。そしてCOVID-19は食中毒ではない。


 農林水産省は「食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されていません。一般的な衛生管理が実施されていれば、感染者が発生した施設等は操業停止や食品廃棄などの対応をとる必要はありません」としている(農林水産省新型コロナウイルス感染者発生時の対応・業務継続に関するガイドライン)。

 すなわち、食品(生で喫食する野菜・果実や鮮魚介類を含む)を介した新型コロナウイルスSARS-CoV-2)の感染は報告されていない(食中毒は起きない)のである。感染リスクが高い行為として会食が挙げられることが多いが、それはあくまで、会食時の会話で生じる飛沫による感染と接触感染と考えられている。そのため、食品製造業、食品流通業、卸売市場、外食産業などの食品を取り扱う事業所の従業員に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が発生しても、営業停止も食品廃棄も必要ないのだ。

 ただし感染防止対策が適切に実施されていない場合、”さらし者”になる危険性はあるので要注意だ。内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室は昨年7月に公表した、「飲食店等におけるクラスター発生防止のための総合的取組」の中で、「クラスターなど感染者が発生し、感染経路の追跡が困難な場合には、感染拡大防止の観点から店舗名を公表する扱いとなっており、当該公表において関係者の同意が必要なものではないこととともに、ガイドラインに掲載しているような感染防止策が適切に講じられていなかったことが感染の要因であると考えられるときは、その旨を公表して感染防止策の徹底を促すことを改めて周知する」としている。

 感染防止のためのガイドラインを遵守していない事業者として公開されれば、営業に多大な悪影響を受けるのは必至だろう。ルールを守らないと怖いことになるが、ルールを守ってさえいれば、営業停止はあり得ないのだ(ただし、感染者の同居人は濃厚接触者となるので、夫婦だけで営んでいるようなお店が営業を続けるのは現実的に厳しいかもしれない……)。

 

【COVID-19疑いの飲食店関係者への正しい説明】
 COVID-19 は食中毒ではなく、飲食店関係者に感染者が出ても営業停止の心配はありません。そのため、医師が必要と判断した際は、SARS-CoV-2検査を受けることをちゅうちょしないでください。

 

手指衛生の誤解を正すのもプライマリ・ケア医の役割
 なお、食品や食事の配膳等を行う場合は、不特定多数の人と接する可能性があるため、接触感染に注意する必要がある。食器についても同様で、清潔な取り扱いが必要だ。ただ、飲食店関係者を含めた一般の方に「アルコール消毒の効果はどのくらい持続するか知ってる?」と聞くと、2時間とか3時間とかの答えが返ってくる。

 「アルコール消毒≒無敵」のように思っているみたいだ。われわれ医療者の常識である、アルコールは数十秒で乾燥して消失し、その時に手指についているウイルスにしか効かないということは一般には知られていないのだ。

 加えて、アルコール消毒と手洗いではアルコールの方が効果があると誤解している方も少なくない。手や指に付着しているウイルスは、流水による15秒の手洗いだけで100分の1になり、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いして流水で15秒すすげば1万分の1になる。ちゃんと手洗いができれば感染は減るので、肌を荒らしてまでむやみやたらとアルコール消毒しなくていいことも伝えていきたい。もちろん、正しい手洗い法として、指先や指の根元、特に親指に洗い忘れに注意することも。そうそう、「もの」に対するアルコール消毒は拭き取りが大前提で、環境に噴霧してもダメ。しっかりと拭き取ることが大事である。

 感染予防、感染対策は基本を押さえてこそ。一般市民に対する地道な啓発もわれわれプライマリ・ケア医の役割だと思う。

以上引用

 

覚悟しておいた方がいいかもしれない、まもなくこの国は「潰れる」………と。